市街地などではバイク便ライダーが他社のライダーとすれ違うこともそれなりにあります。
街を駆けるバイク便ライダー同士がすれ違う瞬間。そこには、同じ職業ならではの言葉にはならない独特の空気感が流れています。
とはいえ、多くの場合、彼らは仕事中に全神経を集中させているため、他社のライダーに気がつかないことがほとんどです。納期やルート、周囲の危険に意識が向いており、街の景色すら視界の端を流れる背景の一部でしかありません。
たとえふと意識が向いたときも、安全面や走行中のリスクを考慮し、特に何もしないことが基本です。余計なジェスチャーは事故の元になるため、すれ違いざまに視線を軽く交わす程度か、なんとなく会釈するくらいで、お互いの安全を守るためにすぐに前へと視線を戻します。
しかし、赤信号の停車中など、会話ができる場面に出会うと、その関係性は少し変わります。「お疲れさまです」と自然に声をかけ合い、時には「あそこの交差点、流れが悪かったよ」といった交通情報を交換することも。そんな瞬間は、厳しい現場を共に生きる仲間として、束の間の連帯感が生まれる瞬間です。

